FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」【第68回】
【第68回】生前贈与など相続対策を行う際に大切なこと
2023年6月21日
FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えいたします。第68回目のコラムは、2023(令和5)年度税制改正により「年内の駆け込み贈与」に注目が集まっておりますが、その際の大切なことについてのお話です。
2024年1月からの改正に向けて
2023(令和5)年度税制改正により「暦年課税制度」において贈与財産の相続財産への加算期間が3年から7年に順次延長される改正、「相続時精算課税制度」の基礎控除枠創設等の改正、あわせてNISA制度の抜本的な改正等が2024年1月より始まることが決まりました。そこで「暦年課税制度」の贈与財産の相続財産への加算期間延長の対象となっていない今年のうちに、多くの方が生前贈与を積極的にご検討されているようです。
生前贈与は、「相続財産を減らすことにより減少する相続税額」と「贈与に伴い負担する贈与税額」との兼ね合いで、適切な金額の生前贈与であれば有効な相続対策の一つです。また、贈与を受けた方が、その資産を今後値上がりが期待できそうな資産(不動産・有価証券等)で運用することでその値上がり分は贈与を受けた人に帰属することになりますので、同じ運用を贈与者ご自身が行うよりも相続財産の蓄積を抑えることができることとなり、よりご家族のためになる手段となります。そのため、税制改正の影響を受けない2024年1月以前の贈与が大きな注目を集めています。
それぞれのご家族にあった適切な金額での贈与を検討し、今回の改正を有効に享受しようとお考えになる方が多いと思われますが、一方で、税制の改正点のみに着目してご検討されている方もいらっしゃるのではと思います。
そこで「相続対策」とは?
そもそも「相続対策」とは、保有財産の把握とそこから導かれる相続税額の把握などの現状分析を行ったうえで、①「遺産分割対策」(誰にどの財産をどのように遺すのか)②「納税資金対策」(保有金融資産で納税が可能かどうかの検証)③「相続税対策」(少しでも効果的に財産を遺すための対策)などの対策をバランスよく検討していくことで、財産を遺す方の想いの実現を図るものです。
このようなご検討をされていませんか?
例えば、「長男には自宅とその分の納税資金を。二男と三男には自宅相当額の金融資産を遺す計画」で対策をご検討なさっている方が、今回単純にお子さま三名へ同額の金融資産を生前贈与することは、得策でしょうか。
又は、お子さまやお孫さまへ満遍なく一律に金融資産を贈与することをご検討なさっている方は、お子さまのご家族毎で考えた場合に、皆さまへの想いが隔たりのない配分となっているでしょうか。
はたまた、既に遺言書を作成済の方は、生前贈与を実施することにより、遺言を書くときに熟慮した配分と相違することになっていませんでしょうか。
などなど、それぞれの方によっての着眼点は変わってきますが、せっかくの大切な方宛の有効な手段としての生前贈与を実施するにあたって、一呼吸入れて内容がご意向に沿っているものなのかの確認をすべきことをご理解いただく必要があるのではないでしょうか。
更に具体的検討も
この機会を好機ととらえ、ぜひ生前贈与をご検討いただき、その上で改めて、大切な財産を想いと共にご家族へ遺していくために、バランスの良い財産配分をご検討になられたらいかがでしょうか?
財産の配分をお考えになられたら、ぜひそれを遺言書という青写真としておきましょう。大切なご家族が、面倒な遺産分割協議でご苦労されることがないように、遺言書の作成等をご検討になられてみても宜しいのではないでしょうか。
スマートフォンなら最短即日
パソコンなら最短3日で取引可能!
各種パンフレットを
WEB上でご覧いただけます。
免責事項
当ページのいかなる内容も将来の運用成果、市場環境の変動等を示唆、保証するものではありません。
当ページの掲載資料および内容は作成時点の法令、その他情報に基づき作成されていますが、今後の改正等により、取り扱いが異なる場合等があり、将来予告なく変更されることがあります。当ページは信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、情報の正確性、完全性についてSMBC日興証券が保証するものではありません。
当ページの内容にかかわらず、お取引に伴う税制の適用はお客さまの個別の状況に応じて取り扱いが異なる場合があります。個別具体的なケースにかかる税務上の取り扱い等につきましては、税理士・税務署等にご相談ください。
当ページの内容はSMBC日興証券が有価証券の売買その他取引等を誘引する又は投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資判断の最終決定は、ご自身の判断と責任で行ってください。
当ページに掲載の動画、静止画、記事等の情報は、収録時点のものであり、その後、変更されている場合があります。最新の情報は、ご自身でご確認ください。
コンテンツの内容に対する改変、修正、追加等の一切の行為を禁止いたします。