FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」【第30回】

【第30回】「生前整理」のすすめ

2016年9月23日

FPの相続コラム「子々孫々へ遺す想い」では、毎月1回、相続に関連したお役立ち情報から最新の話題までをお伝えしております。第30回目のコラムは、「生前整理」についてのお話です。

今後も増え続ける空き家

少子高齢化の進展や核家族化を背景に、空き家が増え続けています。総務省の調べによると、2013年時点での空き家数は820万戸に上り、放置したままでは放火・倒壊の恐れや、景観・治安の悪化を招く可能性があり、空き家の増加は大きな問題です。

高齢者が増加し、相続発生件数も増加していますが、相続人である子世代の殆どは50歳代以上で、核家族化の進行により持家比率は約70%といわれています。相続によって実家を相続しても、既に親とは別に自宅を保有している方が多いため、相続した親の自宅が空き家になってしまうケースが多いようです。その他にも、介護施設や、老人ホームへの入所等、相続発生以外の理由による空き家の増加もあります。少子高齢化が急速に進展していく中においては、今後も空き家が増加していくのは確実です。

空き家となった実家をどうするか

実家が空き家になった場合の選択肢としては、「売却」、「リフォームして賃貸」、「更地にして売却」する等の方法が考えられます。いずれの方法を選択するにしても、実家にあった荷物は整理しなければなりません。専門業者に依頼することも可能ですが、費用がかかります。相続人にとって、親が遺した荷物の整理は大きな負担です。実家を「売却」や「賃貸」する場合は引き渡しの期限が限られているので、さらに負担の大きい作業になります。

いざというときのために「生前整理」を

空き家になる前に少しずつ荷物の整理をする、いわゆる「生前整理」が最近話題になっています。引き渡し期限が限られている場合の荷物の整理は精神的にも体力的にも負担となりますが、ご自身が元気なうちに少しずつ「生前整理」をすすめていけば、いざというときに残された子供たちの負担は大きく軽減されることになります。また時間的に余裕があるため、物によってはオークションに出品したり専門業者に買い取ってもらうことによりちょっとしたお小遣いにもなるかもしれませんし、子供たちと一緒に作業をすれば例えば着物や貴金属等を生前中に形見分けすることも可能です。また、部屋の片づけは認知症予防にもなるといわれています。

いつはじめたらよいのでしょうか

では「生前整理」はいつ始めるのがよいのでしょうか。終活を始める時、エンディングノートを書き始める時、あるいは子供たちが遺産分割でもめないよう遺言書を作成する時が、絶好のタイミングではないでしょうか。特に、エンディングノートには、「これからの人生をどう生きるか」というページがあり、このページを書くにあたって、ご自分にとって何が必要で何が必要でないかの見極めができ、「生前整理」の際の取捨選択がスムースに進んでいくのではないでしょうか。

「生前整理」を始めるにあたって

「生前整理」を始めるにあたり、まず実家をどうするのか、どうしたいのかについてご家族とよく話あっておくことが大切です。相続時に揉める原因のひとつが実家を誰が引き継ぐかです。よく話あったうえで、実家を含めて誰に何を相続させるかということについて遺言書を遺しておけば揉め事の回避につながります。せっかくご家族の負担を軽減させるために「生前整理」を行っても、相続で揉めてしまったら元も子もありません。

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