【米国株初心者向け】S&P500とは? ダウ平均との違いをわかりやすく解説
「S&P500」とは、「日経平均」や「ダウ平均」などニュースなどでよく耳にする株価指数と同じで、米国を代表する株価指数の一つです。
今回はS&P500の概要や特徴について、米国の株価指数としてS&P500と並んで有名なダウ平均と比較しながら解説します。
S&P500とは
S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス・エル・エル・シーによって算出される、米国の代表的な株価指数です。
ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している主要500銘柄の時価総額を加重平均し、指数化したものです。「時価総額加重平均型」の株価指数であるため、時価総額の大きい銘柄の値動きに影響を受けやすいという特徴があります。
S&P500は下記の計算式で算出されます。
「対象銘柄(500銘柄)の時価総額合計額÷基準点の時価総額合計」
- ※時価総額は「発行済株式総数(浮動株調整ベース)×株価」で算出される
S&P500では1941年~1943年の平均を10として算出しているため、S&P500が1,000であれば、1941年〜1943年と比べて、100倍上昇したということになります。
S&P500の時価総額合計額は、米国株式市場における時価総額合計額の約75%を占めていることから、米国株式市場全体の動向を把握する上でも重要な指標となっています。
構成上位10銘柄と業種別比率
S&P500の構成上位10銘柄(時価総額)は、以下の通りです。
会社名 | ティッカー | 時価総額 (億ドル) |
業種 |
---|---|---|---|
アップル | AAPL | 24,444.91 | 情報技術 |
マイクロソフト | MSFT | 19,231.07 | 情報技術 |
アマゾン・ドット・コム | AMZN | 10,594.64 | 一般消費財・サービス |
アルファベットC | GOOG | 6,279.53 | 通信 |
アルファベットA | GOOGL | 6,240.70 | 通信 |
テスラ | TSLA | 6,011.16 | 一般消費財・サービス |
エヌビディア | NVDA | 5,190.60 | 情報技術 |
エクソンモービル | XOM | 4,609.19 | エネルギー |
ユナイテッドヘルス・グループ | UNH | 4,410.31 | ヘルスケア |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | JNJ | 4,303.70 | ヘルスケア |
- ※2023年2月3日時点、Bloombergより
上記の10銘柄の合計時価総額だけでも、S&P500全体の約30%を占めます。
また、S&P500の銘柄入れ替えは四半期ごとに検討されますが、定期的に行われるわけではなく、必要に応じて行われます。
銘柄の採用条件としては、次のようなものがあります。
- 米国に本社を置いている
- 米国における固定資産および売上が全体の大部分を占めている※
- 直近の四半期および直近の連続4 四半期にわたる一般会計原則(GAAP)ベースの利益合計(非継続事業を除く純利益)が黒字である
- ※基準を満たされていない、もしくは不明瞭な場合でも、プライマリー上場、本社、設立が全て米国である企業、もしくは「便宜上の本拠地」を用いている企業を、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは指数上、米国企業と見なす可能性がある
ダウ平均とは
米国の株価指数の中で、S&P500と並んで有名なものに「ダウ平均」があります。
「ダウ平均株価」「ニューヨーク平均株価」「ニューヨークダウ」と呼ばれることもあり、ニュースなどで耳にしたことがある方も多いでしょう。
ダウ平均とはダウ・ジョーンズ社が算出・公表している「ダウ工業株30種平均株価」のことであり、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している主要30銘柄の平均株価を指数化したものです。「株価平均型」の株価指数であるため、一単元当たりの株価が高い銘柄(値がさ株)の値動きに影響を受けやすいという特徴があります。
米国を代表する主要30銘柄で構成されており、S&P500と同様に、米国株式市場全体の動向を把握する際の重要な指標となっています。
ダウ平均の構成銘柄及び業種
ダウ平均を構成する30銘柄とその業種は下記の通りです。
会社名 | ティッカー | 業種 |
---|---|---|
アップル | AAPL | テクノロジー機器 |
アムジェン | AMGN | 医薬品 & メディカル リサーチ |
アメリカン・エクスプレス | AXP | 銀行 & 投資サービス |
ボーイング | BA | 工業用品 |
キャタピラー | CAT | 工業用品 |
セールスフォース | CRM | ソフトウェア & IT サービス |
シスコシステムズ | CSCO | テクノロジー機器 |
シェブロン | CVX | エネルギー - 化石燃料 |
ウォルト・ディズニー・カンパニー | DIS | 耐久消費材サービス |
ダウ | DOW | 化学品 |
ゴールドマン・サックス・グループ | GS | 銀行 & 投資サービス |
ホーム・デポ | HD | 小売 |
ハネウェル・インターナショナル | HON | 消費財コングロマリット |
IBM(インターナショナル・ビジネス・マシーンズ) | IBM | ソフトウェア & IT サービス |
インテル | INTC | テクノロジー機器 |
ジョンソン・アンド・ジョンソン | JNJ | 医薬品 & メディカル リサーチ |
JPモルガン・チェース | JPM | 銀行 & 投資サービス |
コカ・コーラ | KO | 食品 & 飲料 |
マクドナルド | MCD | 耐久消費材サービス |
スリー・エム | MMM | 消費財コングロマリット |
メルク | MRK | 医薬品 & メディカル リサーチ |
マイクロソフト | MSFT | ソフトウェア & IT サービス |
ナイキ | NKE | 耐久消費財 |
P&G(プロクター・アンド・ギャンブル) | PG | パーソナル用品/サービス & 家庭用品/サービス |
トラベラーズ | TRV | 保険 |
ユナイテッドヘルス・グループ | UNH | 医療サービス & 機器 |
ビザ | V | ソフトウェア & IT サービス |
ベライゾン・コミュニケーションズ | VZ | 電気通信サービス |
ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス | WBA | 食品 & 医薬品の小売 |
ウォルマート | WMT | 食品 & 医薬品の小売 |
- ※2023年5月末現在
- ※業種はリフィニティブ・産業分類を利用しています。リフィニティブ・産業分類は、世界各国の約137ヵ国の約74,000企業を同一の基準で分類したグローバルな業種分類です。
ダウ平均を構成する30銘柄は必要に応じて入れ替えが行われます。銘柄の選定基準は定量的に定められているわけではなく、「成長性」「投資家の関心度」等を考慮して、S&P500の構成銘柄のなかから選定されます。
ダウ平均は銘柄数が30と少ないため、個別銘柄の影響を受けやすく、S&P500は構成銘柄が多いため、個別銘柄の影響は受けにくい傾向があります。特徴は異なるものの、両者とも長い歴史のなかで着実に上昇を遂げています。※チャートは後述
【チャートで比較】S&P500とダウ平均、日経平均との違いとは?
S&P500の起源は1923年まで遡り、スタンダード&プアーズ社の前身となる企業が26業種・233企業を含む複数の指数を開発しました。現在の形で算出されるようになったのは1957年からであり、米国経済の成長とともに上昇してきました。
とくに、過去30年においては「ITバブル崩壊(2000年8月〜2002年9月)」や「リーマンショック(2007年10月〜2009年2月)」の期間においては下落しているものの、全体としては著しい上昇を続けています。
S&P500とダウ平均を比較
ダウ平均は、S&P500とは株価指数の算出方法が異なるものの、構成銘柄がS&P500から選定されたものなので、その推移は概ね連動します。
それぞれの株価指数が共に下降する局面(2000年の「ITバブル崩壊」、2008年の「リーマンショック」)もありますが、全体的には右肩上がりの上昇を続けています。
概ね似たような動きをする両者ですが、片方だけが大きく変動することもあります。前述したように、ダウ平均は個別銘柄の変動に影響を受けるため、ダウ平均のみに目立った変動があった場合は特定の銘柄が大きく動いたのだろうとみることができます。
米国株式市場の動向をより詳細に把握するために、S&P500とダウ平均の両方の動きをチェックするようにしましょう。
S&P500と日経平均を比較
S&P500の上昇率(成長性)は、日経平均株価※と比較すると顕著にみえてきます。
- ※日経平均株価
東証プライム上場銘柄のうち、日本経済新聞社が市場流動性や業種などのバランスを考慮して選定した225銘柄の平均株価であり、日本の株式市場の代表的な株価指数
過去30年において、S&P500が概ね右肩上がりの上昇を続けているのに対して、日経平均株価はほぼ横ばいとなっています。とくに、ここ10年においてもその差は大きくなっています。
日本株も個別銘柄では値上がりしているものもありますが、全体でみると米国と日本、両国の経済状況を反映した結果となっています。
経済状況も相まって、長期に渡って増配を続けている企業の数は米国の方が圧倒的に多いというのも特徴のひとつです。
米国経済の成長とともに、今後もS&P500は上昇することが期待されています。
まとめ
S&P500とは米国を代表する株価指数であり、構成する500銘柄の「時価総額」を指数化したものです。
S&P500の時価総額合計額は、米国株式市場における時価総額合計額の約75%を占めるため、S&P500の動向はそのまま米国市場全体の動向を示すものでもあります。
対して、ダウ平均はS&P500のなかから選ばれた30銘柄の「平均株価」を指数化したものです。
どちらも米国株式を取引する上では重要な指標となるので、これから米国株の投資を検討している方はチェックしましょう。
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