逆日歩が発生している銘柄の調べ方
信用取引を始めたものの、「逆日歩」が心配でなかなか売り建て(空売り)に挑戦できない方は少なくないと思います。しかし売り建てを活用できるようになると、取引の幅は格段に広がります。
そこでおすすめしたいのが、逆日歩の様子を「じっくり観察」することです。逆日歩銘柄を調べることは難しくありません。
また天気予報ならぬ「逆日歩予報」というサービスがあります。これで逆日歩をチェックすれば、空売りの苦手意識も薄れるはずです。
「逆日歩予報」のほか、逆日歩銘柄を調べる方法を紹介します。
さらに、逆日歩銘柄は「買ったほうがいいのか、売ったほうがいいのか」の判断についても解説します。
逆日歩銘柄を調べる方法
逆日歩が発生するのは、売り付けている銘柄(売り建玉)の空売りが急増するためです。空売りが急増すると、証券会社は貸す株がなくなる貸株超過の状態になり、日本証券金融株式会社(日証金)から株を借りなければなりません。証券会社が日証金から株を借りるときに手数料(品貸料)が発生し、その手数料は売り方(空売りをしている人)が負担する必要があります。これが逆日歩です。
逆日歩の金額は日によって異なります。その金額が決まるのは、約定日(取引日)の翌営業日の午前10時〜正午ごろです。
逆日歩が分かるのは取引を行った後になります。そのため「逆日歩になると分かっていたら、売り建て(空売り)なんてしなかったのに」といったようなことが生じます。
そこで、逆日歩の「観察」がとても重要になるのです。
それではまず、逆日歩銘柄を調べる方法をご紹介します。
銘柄コード | 銘柄 | 品貸料率(円) | 品貸日数 |
---|---|---|---|
1234 | 株式会社〇△ | 0.10 | 1 |
1111 | △□ホールディングス | 0.05 | 1 |
5678 | ●◆コーポレーション | 5.00 | 1 |
・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ |
日本証券金融株式会社(日証金)の貸借取引情報で調べる
日証金のサイト「貸借取引情報」では、逆日歩の金額が表示されています。
銘柄名やコードを入力すれば、個別銘柄ごとの「品貸料率」「品貸日数」が分かりますし、すべての銘柄の一覧を見ることも可能です。
またこのサイトでは、「品貸料率一覧」というデータを無料でダウンロードできます。品貸料率や品貸日数のほか決算日や貸株超過株数も分かるため、逆日歩の「観察」を綿密に行いたい人は、このデータが役立つでしょう。
逆日歩銘柄の情報について、日興イージートレード信用取引では[投資情報>マーケット情報>信用・証金>逆日歩]からご覧いただけます。
逆日歩が予測できる「逆日歩予報」とは?
逆日歩を観察するうえでとても便利なのが、当社が提供している「逆日歩予報」です。
逆日歩が発生する確率が分かる
「逆日歩予報」がほかのサイトと決定的に異なるのは、逆日歩の発生確率をお伝えすることが可能なことです。事前に逆日歩リスクを予知できるので、投資判断に活用できます。ただ、これは逆日歩の発生を確約する内容ではありませんので、注意してください。
逆日歩予報のサービスを受けるには?
「逆日歩予報」を見るには、日興イージートレードにログイン後よりご利用いただけます。「逆日歩予報」は、毎営業日3種類の予報(引速報〜当日報)を配信します。
予報 | 配信時間 | 配信内容 |
---|---|---|
引速報 | 前日17:10頃 | 大引け時点で得られるデータを利用して逆日歩発生を予測 |
前日報 | 前日20:10頃 | 貸借取引残高情報を織り込み逆日歩発生を予測 |
当日報 | 当日12:40頃 | 前営業日「逆日歩情報」や当日始値を織り込み、逆日歩発生を予測 |
- ※情報提供者からの情報配信遅延等の理由により、予報の配信が遅延する場合がございます。
逆日歩の発生確率や大きさ、逆日歩発生に関連する情報のレーダーチャートなどで表示し、直感的に逆日歩の発生予報をご確認いただけます。
お客さまの声から生まれたサービス
当社は、「逆日歩が発生するなら、信用売りなんてしなかったのに」「思ったよりも、逆日歩が高くついてしまった」といったお客さまの声を受けて、このサービスを開始しました。信用取引を行っている人たちの声に「応えたい、何とかしたい」という思いが形になったのです。
逆日歩銘柄は買うべきでない?
それでは次に、逆日歩銘柄や逆日歩確率が高い銘柄の株は「買ったほうがいいのか」それとも「買わないほうがいいのか」について考えてみたいと思います。
株式相場の格言は「逆日歩に買いなし」と教えています。つまり、逆日歩のときは買わないほうがよい、という内容です。
これを信じていいものなのでしょうか。
株式相場の格言「逆日歩に買いなし」
逆日歩銘柄が増加しているということは、売り建て(空売り)が増えているということです。つまり多くの人が株価の下落を予測または期待しているわけです。
よって、株式投資を始めたばかりの人や、株価ウォッチに多くの時間を割けない人は、逆日歩銘柄は買わないほうがいいでしょう。
しかし、「逆日歩に売りなし」という相場格言もあります。「逆日歩銘柄を売ってしまうと損をする」「逆日歩銘柄を買ったほうがいい」という意味で、「逆日歩に買いなし」と真逆のことをいっています。どういうことなのでしょうか。
逆日歩の額が増えたり、逆日歩の継続期間が長くなると、売り方(空売りをしている人)は逆日歩の出費がかさみ、たまらず買い戻しを開始します。売り方による買い戻しであっても「買いは買い」ですので、その銘柄の株価は上昇します。
また、逆日歩が発生すると、買い方(信用取引でお金を借りて株を買っている人)はその逆日歩を手にすることができます。つまり買い方としては、逆日歩発生は歓迎すべき状態なのです。それで買い方は、その株を買い増す可能性があります。これも「買い」ですので、その銘柄の株価は上がります。
よって、ベテラン投資家になるとあえて逆日歩の銘柄を保有し続けたり、あえて逆日歩銘柄を買ったりするのです。
しかし「逆日歩に売りなし」が通用するのは短期とみるべきでしょう。
長期的な視野に立てば、逆日歩銘柄は多くの人が下がると予測しているのですから、買い控えるほうが無難といえます。
まとめ
〜天気予報を見るように逆日歩予報を確認する習慣をつけよう〜
逆日歩の基礎知識と、逆日歩の情報の集め方、さらに逆日歩の予測が手に入れば、空売り(売り建て)に挑戦する不安が少なくなるでしょう。そのためにもぜひ、逆日歩予報をご活用ください。
また現在、信用取引を行っている人も、逆日歩予報をチェックする習慣をつけてはいかがでしょうか。
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