スプレッドとは|概念とFX取引において知っておくべきポイントを解説
スプレッドとは、FXで通貨ペアを売買するときの用語です。
FXでは、同じ通貨ペアでも買う時の価格と、売る時の価格が違います。この価格の差を「スプレッド」と言います。
この記事では、スプレッドの詳しい仕組みや計算方法、FX取引をする上で知っておくべき考え方について紹介していきます。
スプレッドの意味と仕組み
FXに限らず、外貨を取引する際には、買う時と売る時の価格が別々に設定されています。
たとえば海外旅行に行くために両替をして、帰国時にあまった外貨を日本円に戻す場合なども、同じように買値と売値が違います。
FXでは、この価格の差のことを「スプレッド」と言います。
FXにおいても、売買のたびにスプレッドによる差額が生じます。
そのため、スプレッドはFXをする際の「実質的なコスト」となっています。スプレッドを表現する場合、売値(Bid)と買値(Ask)の価格差が小さいことを「狭い」、価格差が大きいことを「広い」という言い方をします。
スプレッドが狭い通貨ペアのほうが有利に取引できるのですが、ここからはその理由を計算方法と合わせて解説していきます。
スプレッドの計算方法
スプレッドの表示単位は、大きく2つあります。
1つは「銭」という単位です。日本円を含んだ通貨ペアで使用されることが多いです。1円=100銭なので、1銭は0.01円ということになります。
もう1つが「pips」と呼ばれる単位です。日本円を含まない通貨ペアの場合のスプレッドは「pips」(ピップス)という単位で示されることが多いです。1pipsがいくらなのかは、通貨ペアによって異なります。例えば、米ドル/円の場合、1pips=0.01円(1銭)、ユーロ/米ドルの場合では、1pips=0.0001米ドルとなります。
スプレッドが1銭の場合は、100通貨の取引を行うと1円のコストに、1万通貨の取引を行えば100円のコストになります。
1銭というと微々たる額のように感じられますが、FXでは1万通貨、10万通貨といった売買を行うこともあるので、日常生活の金銭感覚とは違うことを覚えておきましょう。
また、スプレッドはFX提供会社によって違います。SMBC日興証券では、次のページでスプレッドを公開しています。
FXでスプレッドは損益にどう影響するのか?
この章では、例として米ドル/円の通貨ペアを取引した場合に、スプレッドがどのように損益に影響を与えるのかを解説します。
仮に米ドル/円の買値が100円の時に、スプレッドが0.15銭のFX提供会社と0.5銭のFX提供会社があったとします。レートと取引量が同じで、スプレッドだけが違う条件で売買した時に、利益がどのくらい違うかを比べてみましょう。
- スプレッドが0.15銭の場合
-
条件:買値100円の時に10万通貨を買って、買値100.5円になった時に10万通貨を売る
- 買う時:買値=100円、売値=99.9985円の時に10万通貨買う。→ 10,000,000円
- 売る時:買値=100.5円、売値=100.4985円の時に10万通貨売る。→ 10,049,850円
- 取引の損益:プラス49,850円
- スプレッドが0.5銭の場合
-
条件:買値100円の時に10万通貨を買って、買値100.5円になった時に10万通貨を売る
- 買う時:買値=100円、売値=99.995円の時に10万通貨買う。→ 100,00,000円
- 売る時:買値=100.5円、売値=100.4950円の時に10万通貨売る。→10,049,500円
- 取引の損益:プラス49,500円
この比較では、スプレッドが0.35銭違うだけで、同じ取引をしたのに350円の利益差が出ました。
上の章でも解説したように、FXをまだ始めたことがないと、スプレッドはすごく小さなものに感じられる場合もあります。ですが、FXでは一度にまとまった額の取引を行うこともあるため、スプレッドが狭い会社で取引をするほうがコストを少なく抑えることができます。
スプレッドはどのようにして決まるのか
前述のように、スプレッドはFX提供会社によって異なります。スプレッドは、外国為替市場のレートを基に、各FX提供会社が決めています。
この時、投資家が安定した取引ができるように、FX提供会社は、各通貨ペアのスプレッドをウェブサイトなどで公開し、原則的に固定するようにしています。そのため、スプレッドの過度な広がりの影響を避けて取引することができます。
ここでいう「原則的に固定する」とは、基本的には「外国為替市場のレートにかかわらず公開しているスプレッド以下にする」ことを表しています。ただし、この原則に対して例外的にスプレッドが公開しているものよりも大きくなることがあります。例えば、外国為替市場のレートが大きく変動しやすい相場急変時や、海外祝日等の取引の少ない時間帯がこれにあたります。
具体的には次のようなケースがあります。
- 市場の急変時(クーデターなどの政変、震災などの天変地異、その他外部要因)
- 市場の流動性が低下している状況(週初や週末、年末年始、クリスマス時期など)
- 重要な経済指標が発表される時間帯
ただし、これらはあくまで例外であるため、取引できる期間のほとんどはスプレッドが公開しているもの以下に保たれます。その時の参考になる数値が、次に紹介する「提示率」という数字です。
提示率とは?
提示率とは、取引が可能な時間のうち、公開されたスプレッド以下となっていた時間の割合のことを言います。スプレッドを「原則固定」で公開する場合、一定期間(基本的には直近4週間)の提示率を95%以上に保つ必要があります。
FX提供会社によって提示率が違いますので、FX提供会社を選ぶ時にはスプレッドの狭さはもちろんですが、併せて提示率の高さも参考したほうが良いでしょう。
まとめ
FXでは、同じ通貨ペアでも買値と売値の価格が違い、この差のことをスプレッドと言います。
単位だけで見るとすごく小さな差に見えますが、実際に取引を重ねていくと数千円、数万円…と大きな違いになるため、スプレッドが狭い通貨ペアやFX提供会社を選ぶことで利益を得やすくなります。
また、スプレッドの変動は例外的に起きるものの、投資家が取引をしやすくするために、多くのFX提供会社で基本的には公開しているスプレッド以下に保っていますが、公開しているスプレッド以上に広がる場合もあるので注意して取引してください。
FX提供会社を選ぶ時は、「提示率」を確認することも大切です。
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