変動する相場でもローソク足を信じろ!
プロトレーダーに聞く2023年のFX戦略

本記事は取材時点(2023年2月)の情報に基づいて作成しております。

変動する相場でもローソク足を信じろ!

2010年にサラリーマンをしながらFXを開始し、2015年には独立して専業トレーダーとなった、ひろぴーさん。現在はトレーダーだけでなく、為替コラムニストやラジオパーソナリティ、また金融エンジニアリングの会社経営等、さまざまな顔を持ちます。

このようにマルチな活躍をするひろぴーさんに、FXをはじめたきっかけから、独立できるほど安定した収益を上げられるようになるまでの道のりを伺いました。これからFXデビューしたいという皆さまの参考になるヒントを探ります!

FXのはじめ方について、ひろぴーさんが語ったインタビューはこちら。

過去から現在にかけて変動する為替相場。
その中で唯一信じられるものがローソク足!

――ひろぴーさんがFXを開始してから現在に至るまで、為替相場はどのように変わってきましたか?

ひろぴー:
まず、為替相場は変動することが大前提です。その中でも、コンピューターの進化にともない、システムトレードやAIトレードも登場する等、2〜3年前なら通用したトレードルールが今は通用しないということを肌で感じます。
現在の為替相場は外国為替市場における需要と供給のバランスで日々変動する「変動相場制」ですが、もっと昔に話を戻せば、1949年からは1ドル360円に固定された「固定相場制」の時代がありました。ところが、ベトナム戦争による軍事費拡大等を発端にニクソン・ショック※1が起きたことで、1973年になってから現在の「変動相場制」に移行したんですね。このように為替相場は国の政策等の影響も受けることを考えると、やはりこれまで通用していたトレードルールが、数年後には通用しなくなることが十分あります。だからこそ、日々相場を見ながら、学び続ける必要あるとつくづく感じますね。

  1. ※1アメリカのニクソン大統領が金とドルの交換停止といった経済政策を発表した出来事

…とはいえ、やはりローソク足だけは信じて良いと思っています。
なぜなら、どこに注文が集まっているのか、またポジションを持ったまま放置しているのか、ローソク足を見ると、今現在の投資家の心理が予想できるためです。僕自身もローソク足以外のテクニカル分析は行わず、基本はローソク足の動きをもとに判断します。一方でローソク足を見ないFXのトレードルールは、相場の心理が反映されづらいので、2〜3年前は通用したルールも今は通用しないということが十分に起こりうるのです。

――やはり、ローソク足が軸になっているのですね。昨年から直近にかけての為替相場はどう捉えていますか?

ひろぴー:
僕自身の実体験も踏まえると、2022年の年初はいつものリズムが効かず、圧倒的に負けていました。ただ、3月から9月までは米ドル/日本円の上昇に乗り、逆に利益を上げることができたんです。2022年末も、FXをはじめて10年以上は経っているのですが、これほど動いたのははじめてだと感じており、高ボラティリティーな1年でした。
その後、2023年の1月は、雇用統計や消費者物価指数(CPI)、アメリカ購買担当者景気指数(PMI)もすべて市場予想を上回り、アメリカ経済は好調そのものです。それを受けて、1月から米ドル/日本円は上昇しています。そして、インフレ率の下げ止まりや利下げ観測※2の後退を受け、全体的に米ドルに資金が回帰しているのが現在の状況です。そのため、年内しばらくは米ドル高が続くと予想しています。

  1. ※2機関投資家や個人投資家等が、金利の引き下げが行われることを予測すること

――そういった相場の分析はどのように行うのですか?

ひろぴー:
基本的にファンダメンタルズ分析では、政策金利の発表、国内総生産(GDP)、雇用系指標(失業率や新規雇用者数等)、製造業PMI等の経済指標をウォッチします。定期的に発表されるこれらの指標は、過去のデータと比較し、相場の予測に役立てることができます。これらは、FX会社の口座をひとつでも持っていれば、ニュース配信を通じて、誰でも手に入れられる情報です。また、ロイターやブルームバーグ等でも確認できます。たとえば「アメリカの雇用統計が上向きだから、ドルが買われるかもしれない」等の予想がつくようになるわけです。
特に、世界各国の金融政策決定会合により公表される、政策金利の引き上げ・引き下げのニュースは押さえておいたほうが良いですね。政策金利の変化により、通貨の流入・流出が起こるので、FX取引にも影響を与えます。たとえば、単純な話、アメリカの政策金利が上昇すれば米ドル高、政策金利が引き下げられれば米ドル安に動くのが基本です。

また、テクニカル分析ではローソク足をマストで押さえます。最も基礎的な部分ですが、これがわからないといつまで経っても相場が上がる・下がるといった予測はできません。移動平均線やボリンジャーバンド、RSIといったテクニカル分析はあくまでも二の次。ローソク足を見て、自分の頭の中でこれから上がるか予測をし、どのように動くのか、仮説と検証を繰り返してシミュレーションする癖をつけるのが、相場分析の最短ルートです。逆にローソク足がわかようになると、FXだけでなく株や債券相場でも戦えるようになります。

――ちなみに、ひろぴーさんは現在、どういったスタイルでFXを行っているのですか?

ひろぴー:
取引のスタイルは、会社員のときにたどり着いた方法といっしょで、今でもスイングトレード※3のみです。 会社も経営しながらなので、やはりデイトレードのような短期売買は、常に画面を見ている必要があるため今でも難しいんです。それに、スイングトレードのほうが、会社員時代から培ったノウハウが身についているので得意というのもあります。会社員は取引に割く時間が限られているので、デイトレードをあきらめた結果、僕にはスイングトレードがしっくりきて、今でもそのスタイルを貫いています。

また、レバレッジ等は基本的に、平均して0.5倍〜2倍。ここぞという上昇相場や下落相場のときに、5〜6倍にレバレッジを上げています。その上で、ポジションは基本的に2〜3つは常に持っている状態ですね。トレードの対象となる通貨は主要先進国が中心で、主に米ドル、ユーロ、英国ポンド、スイスフランで取引をしています。

  1. ※31日のあいだに取引を完了させるデイトレードとは異なり、数日〜数週間の期間で取引を完結させる売買手法。
■売買スタイルの違い
スイングトレード デイトレード スキャルピング
数日〜数週間単位で売買するスタイル 数時間単位〜1日で完結する売買スタイル 秒〜分単位で売買するスタイル

米ドルが踏ん張る中、豪ドルも上昇の余地あり

――では最後に、今後の相場の見通しを教えてください!

ひろぴー:
改めてここ数年の世界の動きを見てみると、グローバルインフレ時代に突入し、コロナ・ショックの後、世界はバランスを大いに崩しました。また、原油も、天然ガスもロシアのウクライナ侵攻の影響で物資がうまく流通せず、その影響から世界中でコンテナの輸送価格が上昇。物資の価格も上がってしまう状況に陥ってしまい、世界的なインフレ経済になりました。それを押さえ込むために、各国必死で政策金利の引き上げを行ったわけです。

その反動から、利上げによる景気後退の副作用は避けられないと考えられています。とはいえ、2022年後半からリセッション※4が来ると警戒されていましたが、警戒しているうちは来ない。これまでもそうでした。特に機関投資家やアメリカ政府もすでに売り抜けている状況ですので、彼らとしてはもう下がってほしいという思惑もあって「リセッションが来る」と、投資家の不安をあおっているところもあると思います。そのため僕自身は、利下げ観測の後退等も受けて、米ドル高がしばらく続くと考えています。

  1. ※4景気後退局面

そのほか、下がりきれないインフレも米ドル高が続くと予想する理由のひとつです。第二次オイルショックの頃も、当時のアメリカは、物価が下がってきたときに政策金利を引き上げるのを止めてしまったんです。その緩みからインフレ率が上がり、元に戻ってしまいました。その結果、リセッションの時期が長引いてしまった。今回もそのパターンに陥る可能性があれば、リセッションはしばらく来ない可能性があり、これが年内は米ドル高が続くと見る理由のひとつです。

――米ドル高の中で、どういったFX戦略を取れば良いでしょうか?

ひろぴー:
米ドルが下がらずに踏ん張るかもしれないというのは、すでにお伝えした通りで、今回はリセッションが意識されていましたが、豪ドルの価格は下落しませんでした。原因を考えてみると、オーストラリアは鉄鉱石、石炭、金、小麦等ロシアとウクライナの戦争で不足したものを全部持っており、この1年の経済も好調そのもので、経済指標からもわかるように、好景気のインフレになっているようです。
このインフレを抑え込むために、おそらくアメリカと同様に、利上げが継続的に行われる可能性もある。そうなると、豪ドルが中期的に上昇する余地は十分あると考えています。

――やはり、世界規模で経済を見ることが大切なんですね。ありがとうございました。

ひろぴーさん曰く、「FXをやっていると世界規模で経済を見るクセがつく」とのこと。
ひろぴーさんがFXをはじめた頃、情報収集は本などしかなく、ひたすら読んで勉強をしたそうです。現在は、YouTubeやSNSなどで、FXに関する情報を収集しやすい時代。その強みを活かし、いま世界で何が起こっているのかに目を向けつつ、中長期的に市場がどう動くのか、自分なりに仮説を立てていく。その上でFX戦略を考えていけば、必要以上に負けを怖がることはないでしょう。
日興FXは低ロットで始められるのがメリットです。まずは小さい金額からはじめて、相場の値動きに慣れることをおすすめします。

FXのはじめ方について、ひろぴーさんが語ったインタビューはこちら。

<プロフィール>

ひろぴー
CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役
2010年にサラリーマンをしながらFXを開始。当時としては珍しいスイングトレードを軸に利益をあげ、2015年に会社を退職し、専業トレーダーとして独立。現在の業界ニックネームは「ひろぴー」。トレーダーとエンジニアによる金融エンジニアリング会社「CXRエンジニアリング株式会社」の代表を務めるほか、ラジオパーソナリティやFX会社のコラムニストとしても活動している。

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