金利や為替と株価の関係

金利が上がると株価はどう動く?

継続的に景気が良くなり、金利が上昇する環境下では、金利水準が過熱しつつも、資金調達ニーズの高まりは続き、企業業績向上への期待が高まります。投資対象としての魅力は債券から株式に移り、投資マネーは債券市場から株式市場へ移動するので、下図のような流れで、金利上昇と株価上昇が起こります。

反対に、金利上昇が悪い影響を及ぼす場合があります。これは金利が上昇することにより、企業は借入れコストが上昇する為、設備投資の縮小を行います。また、個人消費でも住宅ローン金利が上昇することから、住宅購入を見送ることも考えられ、企業業績低迷への不安が高まり株価は下落する傾向があります。

為替が動くと株価はどう動く?

外需・輸出型企業にとって円安/ドル高になれば、自動車1台を1万ドルで輸出し、ドル建てで輸出した場合、1ドル=120円の時と、1ドル80円の時では受け取る外貨は同じでも円ベースの価値は1ドル=120円の時の方がメリットを受けることができます。
一方、内需・輸入型企業は円高/ドル安になれば、支払うコストが円ベースでは低下する為、輸入型企業である電力、ガス、化学、紙パルプ等の企業は円高を好みます。

企業業績への影響

外国人投資家への影響

外国人投資家への影響も円高/ドル安の場合、円建て資産への投資は自国通貨ベースで有利になる為、円高を好む傾向があります。
ただし、海外の機関投資家や海外の年金基金などは、円高になると運用資産全体のうち円資産の占める割合が大きくなってしまうので、それを調節する必要が出てくると考えられます。
そのために円高になると日本株を売る動きにつながることがしばしば見られます。
つまり、相場を取り巻く環境によって、為替変動が株価に与える影響が異なるので相場状況に応じた判断が必要になります。

ワンポイント!

外国人投資家とは、日本に居住していない外国籍の法人・個人のことを指します。海外の機関投資家や海外の年金基金、ヘッジファンドなどは代表的な外国人投資家です。東京証券取引所が発表する「投資部門別売買状況」を見れば、足元で外国人投資家が日本株を買っているのか、それとも売っているのかを知ることも、相場の行方を占う上で重要なポイントのひとつです。

ドル/円相場と日経平均の推移

①、③の局面では、円高&株安、円安&株高の傾向にある一方、②の局面では円高&株高、円安&株安の傾向となっています。
この様に市場を取り巻く環境によって、株価の反応は異なることがわかります。

景気と株価の関係は?

景気と株価の推移を1980年から2013年までの長期的な期間、検証してみると、概ね株価と景気動向の方向性は一致していることがわかります。
しかし、後退期から拡大期、拡大期から後退期前後の日経平均株価の推移を見てみると、若干ですが、先行して動いていることがわかります。

景気循環と日経平均(月足)の推移

株価の変動は相互関係?〜連鎖的に影響〜

株価変動は一つの要因で決まるのではなく、個々の要因が連鎖的に影響を及ぼし、株価は動きます。

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